私が小学生のころは、
「近いうちに東海地震が来るよ」
と言われていました。
いざというとき、頭を守るために黄色い座布団が支給されていました。
地震は来ず、いつの間にか防災座布団は姿を消しました。
大人になった私は、高校の教員になりました。
職場でも地震にそなえて職員研修を行ない、
生徒たちを対象にした講演会や訓練に力を入れるようになりました。
『夜寝るときには、枕元にスニーカーを置いておこう』
『防災グッズを備えておこう』
阪神淡路大震災をしらない世代が高校生になったころ、
東北で大地震が複合的な災害を引き起こすという、大変な事態が起こりました。
そのころには動画がどんどん配信され、現地の惨状を伝える時代になっていました。
情報はどんどん発信され続けましたが、災害のど真ん中にいる人たちに伝わらない。
そういうことも起こりうるのだと知りました。
「近いうちに東南海地震が来るよ」
いざというとき、学校は避難場所になります。
赤ちゃんから、お年寄りまで。
地元の人も、外国からの観光客も。
インフルエンザにかかっている人もいるかもしれない。
職員は生徒たちの安全だけを考えているわけにはいかなくなりました。
『どこを本部にする?』
『非難してきた人たちの居場所は、どう配置する?』
『簡易トイレはどこに掘る?(人目がない場所の方が落ち着くけど、ある方が安全)』
『動物を連れてきたら?…犬、猫、ウサギ、インコ』
教訓が積み重なって、考えなければならないことが驚異的に増えました。
今度は北海道です。
私は早期退職して無職になりました。
スマホは持っていません。
今日、このとき、東南海地震が起こって被災者になったら…。
適切な行動をとることができるでしょうか。
誰かを支えることができるでしょうか。
ただただ、被害の少ないことを祈るばかりです。
早く揺れが収まりますように。
みなさまの不安や苦しみが、一刻も早く和らぎますように。