「秋に山の中で真っ赤な葉っぱの木を見つけたら、
それはウルシや。近づいたらあかんぞ」
幼いころ、じっちゃんにそう教えられて育ちました。
モミジやニシキギ。
赤く紅葉する木はたくさんありますが、だいたい葉っぱや幹の形が特徴的。
普通っぽい木(主観による)は、黄色か茶色に色づいて散ってゆくものなのだ。
そう思って生きてきたのですが……。
昨日友人から見事な紅葉の写真を見せてもらいました。
情報1.アパートの前に生えている。
情報2.そこそこ樹高がある。
情報3.秋になると地面にどんぐりが落ちている。
どんぐり?
カシの木くらいしか思いつきません。
しかしカシ。そんな真っ赤に紅葉するか?
それに写真ではよく分かりませんが、葉っぱの付き方が『対生』に見えます。
うちのアパートの近くにも生えているかもしれません。
ちょっくら厚着して探しに出かけました。
\ お? これかな? /
けっこうあちこちにありますね。では、
\ 葉っぱ、ズームアップ /
はい。左右の葉っぱが同じ位置から出ていますね。
これが『対生』です。
互い違いに出てたら『互生』です。
「この木なんの木?」
調べるときに、葉っぱの付き方は大きな手がかりになります。
ネットでも、樹木を扱うサイトさんはたくさんあります。
1.落葉するか、常緑か。
2.どんな花がいつ咲くのか。
3.実はいつ、どういう色・形のものが生るか。
それらが分からなくても、
4.葉の形と付き方。
これが大きな手がかりになってくれます。
さて、結論です。
葉っぱのアップの写真を見て下さい。
右側、左側に小さな実が房状になってぶら下がっているのが分かりますか?
はい。
ハゼノキです。
そもそも、カシやクヌギの葉っぱは『対生』ではありません。『互生』です。
んで、ハゼノキ。
ウルシ科ウルシ属。
うかつに触るとかなりの確率でかぶれます。
じっちゃんの教えは正しかった(°△°;
友よ。
残念ながら、こっちの木はカシじゃなかったよ。
ドングリは生らないよ。