実家に通ってくる猫です。
名前がないと不便なので、「ダイちゃん」と呼んでいます。
ご近所の方々の証言を総合してみると、飼い主はいないようです。
のら-ねこ【野良猫】飼い主のない猫。宿なし猫。
a stray cat
*日本語大辞典 第二版/講談社 による
ダイちゃんは『飼い主のない』という点においては、のら猫たる要件を満たします。
次に『宿なし』かどうかについて。
寒い日に使えるよう猫ベッドを用意してみました。使われている形跡がありません。
ダイちゃんが『自分の宿である』と認識していない以上、彼は『宿なし』です。
うちは『たまたま縄張りの中にあって、なぜかご飯がある場所』なのです。
以上のことを鑑みるに、ダイちゃんは立派な『のら猫』であると言えましょう。
つい先日、お隣のハルさんに
「あのどら猫、まだエサ食べにくるの?」
と聞かれました。
サザエさんが裸足で追いかけていくのは、お魚くわえたどら猫。
世界的アイドル『ドラえもん』の名前の一部にもなっているどら猫。
どら猫とはなんぞ。
どら-ねこ【どら猫】ずうずうしい猫。のら猫。
stray cat
*日本語大辞典 第二版/講談社 による
「a」が消えましたが、英語では『のら猫』と同じ表現になっています。
あえて『のら猫』との違いをあげるならば、
飼い主がいても、図々しければ『どら猫』と呼んで差し支えない、ってところかな。
例えば、ちゃんとご飯をもらっているのに、他家に侵入して魚を持っていく猫など。
では、ダイちゃんは『どら猫』なのでしょうか。
『自分の宿』ではないところに侵入し、ご飯を食べていきます。
しかし、それは私がダイちゃんのために用意したものです。
ダイちゃんは「平べったいお皿の上にあるご飯は食べていい」と知っています。
そこにご飯がのっていないと、お皿の前で座って待っています。
うーん。ずうずうしい…、というほどでもない。
しかし『のら猫』=『どら猫』ならば、ダイちゃんは『どら猫』です。
そもそも、『どら』って何だ?
どら《俗語》①道楽・道楽者
②《接頭的》ぶらぶらしているの意
*日本語大辞典 第二版/講談社 による
うん。ダイちゃんは自分の縄張り内をぶらぶらしていますね。
それも猫の仕事です。
さて、タイトル最後の『ど猫』ですが、じいさま世代が使っておりました。
「この、ど猫!」
人間から見て『悪さ』をしている猫に対して使う、罵りことばです。
「男どアホウ甲子園」の『ど』とは微妙にニュアンスが異なるような気がします。
日本語大辞典さんの『ど』のページをこんなにめくる日がくるとは…。
「男どアホウ甲子園」の『ど』はおそらくコチラ
ど【度】①ものさし。ながさ。ほど。ほどあい。
(用例)ーを越す。
『ど猫』の『ど』はたぶんコチラ
ど【奴】②やつ。め。あいつ。
人をいやしめていうのに用いる。(用例)守銭ー。
ダイちゃんが『度』を越してずうずうしい振る舞いをすれば『ど猫』になります。
……まったくもって、どうでもいいな。
夜中に何をやってるんだか。