やれることだけやってみる

マイナスからの畑作り。草と戦い、疲れたら猫といっしょに昼寝をします。

天使と聖母と白いユリ

チューリップが咲きました。

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元は名のあるチューリップであったと思われますが、

何年も植えっぱなし。

小ぶりで可憐な花を咲かせてくれます。

チューリップが咲き始めると、なぜか気になることがあります。

 

※去年も書きましたけど。

kaedeya.hatenablog.com

 

▇3月25日は、受胎告知の日。

「おめでとう、恵まれた方。主があなたとともにおられます」

  ールカ福音書・1章28節ー

大天使ガブリエルが、処女マリアに告げた言葉です。

有名ですね。

マリアさんダビデ家のヨセフさんと婚約中。

まだ結婚していません。さぞ、びっくりしたことでしょう。

場所はナザレ。

現在のイスラエルです。

3月25日は、古代ローマの暦では春分の日

 

ここで、名画をどーん ♪(°▽°

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レオナルド・ダ・ヴィンチの『受胎告知』(1472~75)。

これがデビュー作だそうです。すごいですね。

『受胎告知』と聞いて浮かぶのは、このシーンかなあ。

大天使さまが白い花を持っています。

 

さらに、どーん ♪(°▽°

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フランシスコ・デ・スルバランの『受胎告知』(1650)。

上の方に鳩が描かれています。まぶしく光り輝いています。

神の使者、精霊ですからね。

おや、大天使さまが花を持っていませんよ。

どこかな~、って右下の花瓶なんですが。

こういうパターンもあるのですね。

 

もうひとつ、どーん ♪(°▽°

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フラ・アンジェリコの『受胎告知』(1433?)。

左上からものすごい光線が放たれています。

アダムとイブがいます。

室内に花は見当たりませんね。

鳩の代わりにツバメらしき鳥がいます。

 

ちなみにこの中で一番古いのは、フラ・アンジェリコの作品です。

 

 

▇ 3月に白いユリ。

いつも気になるのはこれなんです。

大天使さまが持っている花は、ユリですよね。

 

どーんと拡大\(°▽°

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ユリは初夏から夏にかけて咲く花です。

ヨーロッパ原産の白いユリといえば、ニワシロユリ

絵に描かれているのもニワシロユリです。

テッポウユリは日本原産。

シーボルトが持ち帰るまで、ヨーロッパにテッポウユリはありません。

ニワシロユリも夏の花。

 

 ※2020年3月25日・ナザレの天気予報。

  ☀☁ 最高気温22°C 最低気温11°C

    『地球の歩き方』より 

 

日本とさほど変わりません。

たぶん、まだ咲いていないと思われます。

というか、当時のナザレにニワシロユリがあったかどうか。

不明(°_°;

 

芸術表現ですから、現実と一致しなくていいんですけど。

キリスト教では、ユリとバラは『天国の花』。

大天使さまからのお土産なのかな。

 

▇ 白いユリは誰の花?

17世紀にローマ教皇が、

聖母マリアの処女性を象徴する花として、白いユリを描きなさい」

という布告を出したのだそうです。

教皇さまの名前は分かりませんでした。

どなたか、ご存じありませんか?

 ◇白いユリ=純潔を象徴。

 ◇マリアさまの清らかさ=白いユリで表現。

ここで、白いユリとマリアさまが結びつきました。

聖母のユリは『マドンナ・リリー』になりました。

昔はニワシロユリ、今ではテッポウユリ

『マドンナ・リリー』と呼ばれています。

あら~(°▽°;

 

17世紀以降の宗教画なら、マリアさまには白いユリ。

咲いていないはずのユリが、花瓶に生けてあってもいいのです。

これは【お約束】というやつなのです。

 

▇ 純潔の白いユリ。

花瓶の中に、白いユリ以外の花が描かれることもあったようです。

 ◇赤いバラ(慈愛)。

 ◇青紫のオダマキ(聖母の悲しみ)。

 ◇赤紫のスミレ(謙遜)。

赤いユリもあったそうですが、

いろいろあって、白いユリ《純潔》が選ばれた。

教皇さまの布告が出る前に、ダ・ヴィンチは白いユリを描いた。

ダ・ヴィンチ・コード?(°▽°;

 

古代から、花と女神さまは深く結びついています。

ユリと関係のある女神さまは、例えばこういう方々。

 *エジプト:イシス(豊穣)

 *ギリシャ:ヘラ(結婚・母性・貞潔

 

はてさて。何かあるのかな?

 

▇ 復活祭にもユリの花。

そういえば、イースター(復活祭)も近いです。

3月22日~4月25日までの間の日曜日に行なわれます。

毎年日にちが違うんですって。

面倒かもしれない(ー_ー

 

2020年は4月12日。

そしてまたもや登場する、白いユリの花。

 ◇イースター・リリー(誕生と復活)

 

これも昔はニワシロユリ、今はテッポウユリなんですけどね。

3月25日の『受胎告知の日』と同じような時期です。

だからユリなのかと思ったら、こめられた意味が違う。

何でですか(ー_ー;

 

調べてみましたら、イースターの由来はマリアさまとは関係がなかった。

息子(イエス・キリスト)の復活祭なのに。

 *由来:春の女神イオストレ(Eoster)

アルファベットの「o」を「a」に変えたら、Easter。

 

そして、この『イオストレ』という女神さま。

この名前は北欧風の呼び方らしく、たどっていくとこの方に。

 *古代セムの女神:アスタルテ(豊穣)

バビロニアのイシュタル、旧約聖書のアシュタルト。

 

セム族って、なんか聞き覚えが…(ー_ー;

・昔の遊牧民

・時代:紀元前数千年前。

・場所:中東。

・枝分かれして、ひとつが『ヘブライ人』になった。

 

えーと。

イエス・キリストは、ヘブライ人ですよね。

キリスト教は、さまざまな異教のお祭りを取り込んできました。

主のご先祖に当たる方々の祝祭まで取り込んでしまったのですか。

 

ここまで調べて、私の脳みそは燃え尽きました。

白いユリと赤いチューリップが頭の中をぐるぐる回っています。

ああ、大天使ガブリエルが微笑んでいらっしゃる。

 

今年も咲いたよ、ピンクの原種チューリップ。

 

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とりとめのない話で申し訳ありません。

ここまでお付き合いくださった方々、

本当にありがとうございます。