お昼ご飯の時間です。
誰もいない小さな公園。
ずっと前から小さな藤棚があって、
淡い紫の花が咲き始めました。
何日か前には桜が満開で、
ベビーカーを止めて、若いお母さんが見上げていました。
葉桜の季節も終わり、梢の緑が濃くなっています。
近寄ってみると、藤棚は錆びだらけです。
でも、公園は手入れが行き届いています。
早朝にそばを通りかかると、
草刈りをする人や、花を植える人に出会います。
いい風が吹いてきました。
雲が切れて青空がのぞいています。
たくさんの蕾をつけた藤の房がなびきます。
棚の下に入りました。
今ここにいるのは、私だけ。
とてもぜいたくなお花見です。
この蕾たちが開いたら、
きっと甘い香りがするでしょう。
楽しみです。
ぐるぐるぐるぐる。
花を見上げながら、藤棚の周囲を巡ります。
薄い花弁が太陽の光に透けて
明るい空に溶け入るようです。
絶え間なく、
雲が空を流れていきます。
陰ってきました。
花色が濃くなりました。
あっという間に時が経ってゆきます。
車が一台。
公園のそばを走り抜けていきました。
そろそろ、お昼ご飯を終えた人たちが
お散歩にいらっしゃるかもしれません。
お花見はこれでおしまいにします。