小人閑居して不善を為す。
《『大学』にあることば》
小人物は、ひまだと、ついよくないことをする。
愛用の「日本語大辞典(講談社)」より
・・・・・・・・・・・・・・・・
コロナ禍終息の見通しが立たず、
世の中の空気がよどんでいます。
医療や福祉の最前線で働く方々は、
自らの命を危険にさらし、心をすり減らしています。
一方、何もすることがなくなった人たちもいるわけで。
*閑(かん):①ひま・②しずか・のんびり・さびしい。
この状態に耐えきれなくなって、逃げ道を探します。
*「海辺なら広いし『密』じゃないし」
*「ついでにスマホを新機種に変えようかな」
*「今こそ廃墟探訪を実行に」
その結果、
思いも寄らない場所で混乱が起きています。
まー、気持ちは分からなくもないです。
ずっとお家にいると、仲良し家族でもギスギスします。
どうでもいいことで衝突します。
しかし、家族連れで開いているお店に突撃して
何も買わずに、子ども走り放題はいかがなものか。
と思ったりします。
店員さんが疲弊しています。
で、何となく故事成語を思い出したのですが。
これ、原文では意味が違うらしいんですよ。
※詳しくはこちら。
もとの漢字は『閑居』じゃなかったのでした。
『閒居』
門の中に月。
意味は一人住まいをすること。独居。
私がこの漢字を見たことがあるのは、怪談が好きだから。
内田百閒(ひゃっけん)。
この人名以外では見たことがありません。
『閒』は『間』と書くこともあります。
さて、漢字を戻してみましたよ。
☆小人閒居して不善を為す。
つまらない人間ってのは、
人が見ていないと、ロクなことをしねえよ。
(楓屋 訳)
・・・・・・・・・・・・・・・・・
というくらいの意味になるでしょうかねえ。
耳が痛いですねえ。
実はこの故事成語の前には、もうひとつフレーズがあるんですって。
☆君子必慎其独也
「君子、必ず其の独りを慎しむなり」
よくできた人ってのは、
人目がなくても慎み深く行動するものなのだよ。
(楓屋 訳)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
これもまた耳が痛いですねえ。
ちまたではさまざまな情報が飛び交い、
そのくせ一番知りたいことは分からないまま。
いつまで経っても先行きは不透明なまま。
混乱してしまうのも致し方なし。
急に「君子になれ」っても無理な話。
運良くコロナ禍から距離のあるところにいる人たちは、
「怖さ」がない。
「やること」がない。
私も幸いコロナ禍からは遠いところにいます。
ですが、幸いなことにやることがあります。
「やること」「やりたいこと」が見つからない人は一体どうしたらいいのか。
子どもたちの有り余るパワーの行き場はどうしたものか。
困ったなあ。
ーおまけ・姪っ子に遊んでもらうキジー
家の中でヒマをもてあましていたキジ。
よかったなあ、遊んでくれる人間がいて。
私からは逃げるくせに。
おにょれ~。