吾輩は猫である。名前はもうある。
毛色が鳥の雉に似ているからキジ。
何ともシンプルな名付けである。
しかし焦げ茶色のキジはメスではないか。
吾輩は手術済みとはいえ元はれっきとした男。
人間のセンスを疑ってしまうのである。
それはさておき。
今、吾輩はごきげんである。
朝ごはんをたっぷりいただいて満腹なのである。
メニューはいつもの香ばしいカリカリ。
そして薄く溶かしたちゅ~るであった。
マンネリではあるが、それもまたよし。
人間が言うには、世の中品薄で物価高騰だそうだ。
いつも食しているカリカリも、お値段据え置きで量が減ったらしい。
おのれ円安、物価高! \(°△°
人間はぷりぷりしているが中身が変わった。
同じカリカリのはずなのに、味が今までと違うのだ。
『乳酸菌』が入っているらしい。
うまし。
ありがとう、にゅーさんきん。
さて、ごはんの後は自宅警備である。
悪い猫はいねがー。
よし、何もいないな。うとうとうと。
このまま昼寝に突入するのである。
しかし、この場所は油断がならぬ。
よう、キジ(°▽°
しょっちゅう人間が邪魔をしにくるのだ。
これでは安眠できぬ。
もっと目立たぬ場所に移動するのだ。
ここならよかろう。
ぐうぐうぐう。
ぐうぐう、ころりん。
おや?
なんということだ。
爪がひっかかってしまったではないか。
いや、慌てることはない。
これくらいすぐにとれる。
おててをひょいっと。
うぬぬ、とれぬ。
とれぬぞ。これは困った。
じっと手を見る。
いや、見ている場合ではないな。
吾輩はりっぱなおとななので、自分で何とかできる。
しかしカーテンを破ってしまうといかん。
いたしかたない。ここはひとつ頼ってやろう。
おーい、人間。人間はいずこー。
何してるの?(°_°
おお、来てくれたか。
これとって。
またですか(°_°
どうしてキジだけ、と人間が言う。
クロもサバも引っかからないのに、と。
違う。
やつらもたまに引っかかっているのだ。
人間が見ていないだけで……。
はいとれた(°▽°
ふーやれやれ。
ああ、お水がおいしい。
ひと息ついたらまた昼寝のつづきをしよう。
その前におやつをもらおうかな。
カニカマ、ください。
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