私のお腹が若さでぱっつんぱっつん。
お洋服のボタンを肉で弾き飛ばしていたころの話です。
あまりに昔すぎて記憶があいまい。
事実と異なる部分もあろうことをご承知おきください。
* * *
むか~し、むかし。
ある学校に旗が大好きな校長先生がいました。

学校の玄関近くにはだいたい掲揚台があります。
国旗と校旗。
何かある日にはせっせせっせ。
校長先生は自らの手で旗を揚げていました。
はたはたはた。
あまりに旗が好きすぎて、
はて、今日は何の日だっけ(°_°
何でも無い日にも旗が揚がるようになりました。
はたはたはた。
とうとう勇気ある先生が校長先生に言いました。
「そろそろやめてください」
ご近所の目もありますし。
当時、日の丸は微妙な立場だったのです。
そのお願いは逆に校長先生の魂に火をつけました。
「わしは旗を揚げるんじゃー!」
朝出勤するといそいそと旗を揚げ、
帰宅前にさかさかと旗を降ろす。
それが校長先生の日課になりました。
晴れの日も雨の日も風の日も。
日の丸が旗ポールの上ではためいています。
意地と意地のぶつかり合いが生んだ現象です。
校旗はどうだったかな。記憶にありません。
存在感薄子。
いつしか面倒くさくなったのか。
校長先生は旗を降ろさなくなりました。
朝も夜も旗はポールの上。
風雨と紫外線にさらされっぱなし。
布は劣化し、あちこちが裂けてぼろぼろに。
しょんぼり哀しくぶら下がっておりました。
これはいかん(°_°;
旗は通常、校長室の棚に大事に保管される物。
すべすべで、お値段の張るものだったような。
私は事務長先生のところに行きました。
お高い旗があんまりな状態ですが(°△°
事務長先生はにんまりと笑いました。
「あれ、10枚セットの安いやつだから」
なんというタヌキ。
いつの間にすり替えたのでしょう。
さすがお金を司りし者。抜かりなし。
そうしてみんなが飽きて話題にしなくなったころ。
旗はこっそり降ろされて、騒動は終息したのです。
* * *
国旗損壊罪に関わる話が取り沙汰される昨今。
私はふとあの旗のことを思い出したのでした。
※絶対描けないトルクメニスタンの国旗。
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