やれることだけやってみる

マイナスからの畑作り。草と戦い、疲れたら猫といっしょに昼寝をします。

拝啓、オーケストラピットの底から

シルバーウィークの初日。

みなさま、いかがお過ごしでしょうか。

私は本日、とある式典に行って参りました。

とは言っても参列したわけではありません。

持ち場は大きなホールのここ。

オーケストラピット☆

ステージから見たオーケストラピットです。

略して『オケピ』とも呼ばれます。

前の方の客席を取っ払って、ういーんと床を下げると出現するという。

オペラやバレエではおなじみですが、ちょっとレアな空間ですね。

誰もいない間にこそっと撮影してきました。

今日はここに演奏者が76人。みっちり。

普通はこんなに入ることはないと思われます。

 

では、くるっと回って客席の方から見てみましょうか。

フェンス越しのオケピ☆

安全のため、フェンスの高さは私の肩下くらい…。

しまった。メンバーが準備を始めていますよ。

急ぎましょう。

 

オケピから見る客席。

指揮者はステージの方を見ながら指揮をします。

客席の様子はフェンスに遮られてほとんど見えません。

上階の席はかろうじて見えますが、見ている余裕はありません。

主役はステージの上に。

楽団は縁の下の力持ちなのです。

 

今回の相棒。

コンサートバスドラムです。

幅広ボディ、深胴の大太鼓。

ええ低音を響かせてくれます。

ずどーん。

 

もふもふマレット。

バスドラムをたたくバチ。

『マレット』という名前がついています。

わたわた、ふかふかのフェルト製。

使い込むと綿がはがれてきます。もけもけ。

クライマックスではこれを二本使います。

 

私のお役目。

指揮者さんこだわりの4小節。

音符の上にトリル記号がついています。

トリル(またはロール)とは素早い連打を意味します。

やわらかな重低音のつらなりがたっぷり4小節。

ここを情感豊かに演奏するのが最大のミッションです。

 

遠い空の向こうにある入道雲

そこから届く遠雷のように。

あるいは静かな夜に聞く波濤のように。

心の奥底から湧きいずる追憶。

懐かしさ、切なさ、やさしさ。

かすかな痛みを伴ういとしいあの時間。

 

それらを私の

どこどこどこどこどこ。

で表現しよう、と。

そういうわけです。

がっつりと指揮者さんの視線に捕まります。

一打たりともおろそかにできません。

どこどこどこどこどこ。

 

報酬のお弁当。

というわけで。

全身全霊をかけてがんばりました。

あの4小節はたぶんいい感じにできたはず。

ただ、ラストの方でちょっと気合いが入りすぎまして。

1小節フライングしてしまいました。

申し訳ない限り。

 

久々にたくさんの人に会ったので、

ちょっと気持ちが高ぶっております。

眠れなかったらしいたけを数えようと思います。

 

※曲目:式典終曲(八代秋雄)

kaedeya.hatenablog.com