やれることだけやってみる

マイナスからの畑作り。草と戦い、疲れたら猫といっしょに昼寝をします。

3月27日 、「さくらの日」によせて

今朝、デミオくんが教えてくれました。

「今日は3月27日金曜日。さくらの日です」

はあ?(°△°

桜はだいたい3月の終わり頃に咲きますね。

で、なぜ27日なのか。

サクサク。39。

3×9=27(ー_ー;

日本さくらの会が1992年(平成4年)に制定したのだそうな。

知りませんでした。

・・・・・・・・・・・

この時期になりますと、さまざまなメディアで

桜についての豆知識が披露されます。

今さらですが、せっかくなのでまとめてみましょう。

時々私見を挟みます(°▽°;

ご注意下さいね。

 

▇ 桜は田の神さまが座るところ。

春になって、そろそろ田植えの準備をするかという時期。

山の神さまが、里へ降りていらっしゃいます。

そうして、田の神となります。

*『さ』:神霊をあらわす。

*『くら』:座るところ。

大嘗祭があったばかりですので、ご記憶の方もおありでしょう。

天皇がお掛けになるお席を『高御座(たかみくら)』と呼びますよね。

さくらは神さまの御座所なのです。

神さまがいらっしゃると、桜の蕾がほころびます。

そこで里の人々は、

「そろそろ田植えの季節だねえ」

と思うわけです。

そうして、稲刈りが終わる頃になりますと

田の神さまは山に帰り、山の神さまに戻るのです。

 

▇ 山の神が里の神に。

里におりてくる神さまって、どんな方なのか。

日本には昔からこういう伝承があります。

「人が死ぬと魂はお山に行く」

里にほど近い山は、ご先祖たちの御座所。

とすると、里におりてきて田の神となるのは

祖霊神ってことですよね。

つまりこういうことかな(°_°

農村では農作の季節がやってくると、

ご先祖たちが子孫たちを見守りに里へと戻ってくる。

そして、秋までずっといるわけです。

んじゃ、お盆に帰ってくるご先祖は?(°_°;

深く考えてはいけません。

日本の宗教観はチャンポンですから。

 

▇ 花見で花を見ない不思議。

今年はコロナウィルスのせいで自粛されておりますが、

現代日本においても、桜は特別な花です。

桜が咲き始めると木の下でお花見をします。

ピクニックシートを敷いて、ご馳走を並べます。

そして、どんちゃん騒ぎ。

外国の方には、

「花見なのに、なぜ花を見ないの?」

と不思議に思われるようです。

・・・さて、ここからは私の解釈になります。

鵜呑みにしないでくださいね。

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ずっと前に私が撮影した桜です。

どうですか?

全部お花が下を向いていますよ。

見られているのは私たちでは?(°▽°;

と、妙な気持ちになりませんか?

桜の下でドンチャンするのは、神さまと一緒に楽しむため。

『おかげさまで子孫は楽しく暮らしてますよ』

とアピールするためじゃないかな、と思うのです。

私たちが桜を見るのではなく、

桜に私たちの姿を見せる。

『人が花を見る』だけじゃなくて、『花が人を見る』。

そういう意味もあるのでは、と思ったりしております。

 

▇ 桜の下には何がある…?

 はい、出ましたよ。

荒俣宏さんの『異都発掘・新東京物語』より

「桜は人骨を吸って勢いよく育つ。だから、桜は、戦場や大被害のあった場所を好む。死体があるからさ。お伽話の花咲かジジイが枯れ木に灰を撒くけどね、あれも人骨の灰なんだよ!」

変な表現になりますが、

『桜』と『死者』は相性がいい。

桜が死者を養分とする…。

そして桜の花には人の魂を鎮める力がある。

桜は『鎮魂の花』という一面を持っているような気がします。

 

▇ お花見というのはね。

で、墓地には桜が多く植えられているところがあります。

墓場でお花見をする方々もおられるらしい。

私はちょっと抵抗がありますが(°▽°;

 

動物のお医者さん』でも有名な漫画家、佐々木倫子さん。

『Heaven?』

という作品があります。 

2019年にTBSでドラマ化もされました。

 ※ 『Heaven?〜ご苦楽レストラン〜』|TBSテレビ

 

フレンチレストランで働く主人公の伊賀 観くんが、

花見客にケータリングをする場面があります。

そこは花見をする人がどっさりといる、夜の墓場

配達場所に着いてみると、注文主はおらず、男性がぽつん。

観くんはその男性と、ほんのつかの間の会話を交わします。

そうして配達に向かうため立ち上がり、振り返ると…。

男性はおらず、そこには桜の下で宴を楽しむグループが。

 

ひょわああ ((((((°△°;

 

狐につままれたような表情の観くんに、中のひとりが話しかけます。

「桜の木の下には死体が埋まっているーー

だから花見は無意識の墓参にほかならない」

「きみも誰かの墓参りをしたんじゃないのかい?」

 

  【第23話】無意識の墓参 より

 

このセリフの主。

コミックスのお顔はどう見ても荒俣宏さん。

ページの下の方にちゃんと注もついていました。

*参考資料/「異都発掘・新東京物語

 荒俣宏著(集英社文庫

 

▇ 桜の花が咲くところ。

そこは神さまのふところ。

先祖と子孫が出会う場所。

生者と死者がともに宴を楽しむ境。

 

うわあ、もう(°△°///

 

だんだん恥ずかしくなってきましたよ。

桜の花はきれいです。

蕾もいいし、五分咲きもいい。

ワクワクします。

満開の桜を見上げると、吸い込まれそうな気分になります。

ときに、背筋がぞくっとします。

この感性はどこから来るのかな。

こうやって、思い出したように語る人間がいるから、

次の世代に受け継がれていくのかな。

 

いつか、誰も語らなくなって

桜が特別な花でなくなる日は来るのでしょうか。

 

 

《商品リンク》 荒俣さんの『日本妖怪巡礼団』も好きです。