むか~し昔。
アポロ11号の月面着陸が世間の記憶に新し買った時代。
冬休みだし、寒いし。
お布団から出たくなくても。
12月28日は、早起きせざるを得ない日でした。
ふわ~んと漂ってくるのは、
もち米が蒸し上がるにおい。
餅つきの日です(°▽° o
お正月のためのお餅をつくのは、28日か30日。
29日は避ける風習がありました。
『9』+『餅』→『苦・持ち』
と、そういうダジャレ的連想が由来のようです。
逆手にとって
『29』+『餅』→『福・持ち』
とするところもあるようですので、気分の問題ですね。
もち米は前日から水につけておき、
朝早くから四角い蒸籠でほくほく蒸します。
当然、臼と杵を使います。
ひと臼 = 一升(10合)。
だったと思うのですが、うろ覚え。
一番最初についた餅はお鏡さんにします。
とりもち粉をしいた板の上に、つきあがったお餅をきゅっと。
人さし指と親指で絞るように切って、ぽとっと置きます。
「あっ、小さかった」
と思っても、やり直しはできません。
大きな塊、小さな塊。
きっちりと必要な数に分けられるか。
熟練の技が要求されます。
粉の上に置かれたお餅を、鏡餅にするために丸くします。
最初に作るのは、水神さんのための鏡餅です。
粉のついた下側のほうが、表に見える部分になります。
餅肌がすべすべになるよう、引っ張って表面を整えたら、
くるんとひっくり返し、両手で壺を回すようにして丸くします。
「上手にできたら、水神さんのお供えにしてやる」
そう言われてがんばりました。
水神さまの鏡餅は小さめです。
子どもの小さな手で作るにはちょうどいい大きさです。
実際お供えしてもらえたかどうかは分かりません(°_°
同時進行で、小豆がぐつぐつ煮えています。
あんこ餅にするのです。
鏡餅の分をついたら、次はみんなで食べる分。
あんこ。
きなこ。
わいわい食べたら、次はのし餅の分をつきます。
ぺったんぺったん。
五臼ほど。
つまり、五升分のもち米をお餅にしました。
もっと多かったかもしれません。
なにしろ昔のことなので、いろいろ記憶が曖昧です。
あんこに気持ちを奪われておりましたし。
どこのお家でも、昔は自分ちでついていました。
12月28日は、ほかほかのにおい。
ぺったんぺったん。
今は臼と杵を使うご家庭は少ないでしょう。
餅つき器がありますからね。
いえ、買ってくる方が楽ですね。
杵つきも手返しもできるんだけどな(°_°
ちゃんと、最初の《小突き》からできるんですよ。
※小突き=ぺったんする前に、もち米をつぶしておくこと。
使いどころのない技になってしまいました。
ぺったんこ。