世間では『壁猫チャレンジ』なるものが流行しているようですよ。
猫のお腹を持ち、ぶら下げるように抱っこして壁に近づけたとき、突っ張るようにして前足を壁についたら賢い猫なんだそうです。
では実験してみましょう。
1.朝ごはん中のダイちゃんを捕まえる。
2.腹部を持ち、立位懸垂位に保持して壁に近づけ…
^・△・^ もー。何すんの!
【結果】
1回目:左手をついて、体を右方向に回転させた。
2回目:なされるがままに、左のほっぺを壁につけた。
3回目:少々ご立腹の様子だった。
この実験の元ネタは何なのか。
『乳児のパラシュート反応の形成過程に関する研究』あれこれであろうと思われます。
^・_・^ ぱらしゅーと反応?
えーと、ですね(°_°
人は高い所から落っこちときや転んだとき、とっさに地面に手をつこうとします。
手を伸ばし膝をつく。そうやって頭部をかばいます。
考えてそうするわけではありません。自然に手が動いてしまうんです。
転んで手をついて骨折することもありますが、顔や頭を骨折するよりマシですね。
この反応を『上肢の保護進展反応』というらしいのです。
生後12ヶ月にもなると、だいたいの赤ちゃんが獲得するみたいですよ。
赤ちゃんを抱っこして急激に床に近づけますと、手を床につくんですって。
^・_・^ で、なんで猫と壁?
えーと、ですね(°_°
壁にぶつかりそうになったときも、人間は壁に手をつきますね。
赤ちゃんはどうするかな、という研究があります。
*壁に対する上肢の保護伸展反応における触覚・固有覚の意義について パラシュート反応の発達と関連して
中島 正夫, 笠木 重人, 北原 佶(1981)
※https://www.jstage.jst.go.jp/article/ojjscn1969/13/5/13_5_416/_pdf
難しいことはさておき、壁猫チャレンジと同じ姿勢をとった赤ちゃんのお写真が掲載されています。お時間がおありの方はぜひごらんください。
猫のパラシュート反応の研究についても記載されていました。孫引きで失礼します。
HeidとHeinは、ネコが床上のある面に近づけられた時、前足をその面に対して進展するようになるには視覚を伴った自発的運動の経験が必要で、自発的移動運動により感覚・運動機構が統合されるとしている。
TwicheはHeldやHeinのネコの実験で、前肢をある面に向けて進展するには触覚が重要な因子であろうと指摘している。
^・_・^ 結局、なんなの。
猫が前足を出す反応では、視覚よりも触覚が重要なんでは、と。
猫が抱っこされて床に近づけられた時、手を突っ張らせるかどうかは、猫自身がどれくらい経験を積んでいるかによる、と。
^・_・^ 経験ならたっぷりですが。
それなんですけどね(°_°
壁猫実験をするのなら、シュッと壁に近づけないとダメなんです。
猫が「うわっ」と思うくらいの速度で壁に近づけないと。
だって頭部をかばうための『上肢の保護進展反応』なんですから。
速度が遅すぎたかな(ー_ー;
しかしこれは『壁猫チャレンジ』であって『実験』ではありません。
突っぱねる経験のある猫の方が反応が出やすいようですが、可愛ければ成功なのです。
猫に不快な思いをさせてまですることではありません。
^・_・^ ダイは壁をよけましたよ。
そうですね。
1回目は左手をトンとついて、くるりと体の向きを変えましたね。
チャレンジとしては失敗ですが、現実的なやり方だと思います。
迫り来る壁にどう立ち向かうかは猫次第ってことですね。
危険を感じなければ立ち向かう必要もありませんし。
朝ごはんの途中に付き合わせてごめん。
カリカリを増量しましょう。
それから、思う存分抱えけりけりしてもいいですよ。
^ーωー^ そんなには怒ってない。
そうですか。ならいいですけど。
それじゃ、いっしょに畑に行きましょうか。
^・ω・^ うん!
て、動けないんですが。
^・ω・^ 人間の足に対する動作阻止反応。
難しい言葉を使いよる。
つまり、構えってことですね。
^ーωー^ そゆことー。
猫は可愛いのが仕事です。
ネズミを追い払ってくれたらさらによし。
^・ω・^ 人間のお世話も仕事のうちです。