すてられたんだよ
みーみー
おなかぺこぺこ
みーみー
・・・・
初っぱなから不穏な言葉で失礼いたしました。
こちらは幼い頃に読んだ絵本の1ページです。
いや、見開きだったかな。
主人公の子猫が冒険するお話でした。
おうちの玄関を出て、てくてくてく。
そうして初めて出会うものたちに尋ねます。
「どこからきたの?」
うねうねと流れる大きな川のそばで、
主人公猫は小さな猫を見つけます。
「どこからきたの?」
小さな猫は答えます。
「すてられたんだよ みーみー
おなかぺこぺこ みーみー」
ちび猫はダンボール箱か何かに入っていたような。
この絵本のことで覚えているのはそれだけです。
何度も読んだお気に入りの絵本だったのに。
人間の記憶というのははかないものです。
さて、作者もタイトルも不明なこの絵本。
気になって検索してみました。
繰り返し出てくる
「どこからきたの」
これがきっとキーワードに違いありません。
ぽちぽちっと(°_°
検索ワード ➽ 絵本、どこからきたの、猫。
\ はい、出た /
あっという間に出てきましたよ。
おそるべし、情報化社会。
*書名:どこからきたの ~こねこのぴーた~
*著者:与田凖一(作)・安 泰(絵)
*発行:童心社/1966年
県立図書館にてくてくてく。
地下書庫から出してもらいました。
こねこのぴーた、おんもに出る。
では腰をどっかり落ち着けまして。
おもむろにページをぴらり。
玄関から音がします。
開いたドアから風がすう~。
ぴーたの冒険が始まります。
玄関のドアを出てお庭へ。
隣の畑へ。
その向こうの林へ。
お外は危険に満ちています。
がまがえるに毒をかけられたり。
カミキリムシにひげをはさまれそうになったり。
このぴーたくん、
「いらんことしい」ですな(ー_ー;
見たい、聞きたい、知りたい、体感したい。
わくわく、どきどき、うずうず。
めずらしいものを見つけたら迷わず
n^・ω・^n 何コレ何コレ!
大興奮、そして痛い目を見る。
幼いころの自分が重なります。
だからこの絵本が好きだったんだなあ。
……で、問題の場面。
捨てられた子猫に出会うシーンですが、
ダンボールじゃなかった。
子猫は船の中に置き去りにされていたのでした。
セリフも微妙に違いますし。
人間の記憶というのはまったくもう。
しかし、ひとつ言い訳させてください。
色合いがダンボール。
冒険を終えておうちに戻ると、
何事にも動じない母さん猫が待っています。
おいしいごはんをもーりもり。
絵本はここでおしまいですが、
次の日もまた次の日も
ぴーたくんはいらんことをするのでしょう。
お話のつづきは心の中に。
^・ω・^ 贈り物にもいいかも。