1.田んぼが心配で心配でしょうがないから。
2.とっても大切なものを忘れてきたのに気づいてしまったから。
3.毎日の習慣になっているので、つい。
ブブー、どれもハズレです。
まあ、可能性としては0%じゃないかもしれませんけど…。
こちらをご覧下さい ↓
農業用水路です。水は流れていません。
ここも、夏の間は満々と水を湛えていたのです。魚もいたよ。
用水路の水量は、きちんと管理されています。
管理は回り順の当番制。それぞれの地区(集落)に「水当番」がいます。
水当番は一人ではなく、地区内の1つの班が担当します。
ただ、水量を管理するための「鍵」を握っているのは班長さんか区長さんです。
鍵というのは、
「水門」の鍵です。
河口堰を思い描いて下さい。
それが小型になったもの。それが水門です。
丸いハンドル式のバルブを回すと、重い金属製の扉が上下に動きます。
扉が上がれば水が流れ、完全に下がるとせき止められます。
これによって、水の流れる方向を変えることも出来ます。
Aという集落が管理する水門が、上流のBという集落を通り抜けた向こうにある…
というケースもあります。
そうして、多くの場合、メインとなる水路は集落の中を通っています。
もう、お分かりですね。
集落の安全も、水当番の方の判断と行動にかかっているのです。
私の実家がある集落には、三級河川が流れています。
ええもう、村のど真ん中をくねくねと。
これは簡単にあふれます。
床下浸水くらい、あっという間です。
こういう災害を防ぐために、水当番さんはあれこれと頭をひねります。
管理を任されている水門は一つではありません。
大小、さまざまです。
これは個人の田んぼに水を引くためのものですが、例として載せてみました。
土嚢を積んだもの、木製の門もあります。
「◆月◇日に台風が接近する見込みです」
天気予報が予測したとします。
1.どのタイミングで
2.どの水門を
3.どのくらい開閉するか
稲刈りがまだ終わっていなければ、田んぼ水没、大打撃の可能性もある。
収穫した後でも、村の家屋が浸水被害に遭うことだってありえます。
責任重大です。
土嚢を動かす場合、水当番班以外の人たちにも動員をかけなければなりません。
予報が出てすぐに水門を全部閉めたら?
農業は成り立ちません。
あっちの水路、こっちの水路。
流れる水の声を聞きながらの判断です。
必死です。
だって、たくさんの人の生活が、人生がかかっているのですから。
そうして、不幸な事故が起こることもあるのです。
今朝、8時ころ水門の前を通りかかったら、
半袖Yシャツ姿のおじさん二人がすでにバルブを調節していました。
一番最初にお見せした写真では、水門が完全に閉じられた状態になっています。
この辺りはもう稲刈りが済んでいますから。
水は大きな川の方に流れるようになっています。
この4月から集落のさまざまな行事に参加するようになって、
農の仕組みが少しずつ分かってきました。
実は私の属する班も、今年水当番にあたっています。
5月にみんなで水門巡りをしてきました。
軽トラックに分乗してね。風が気持ちよかったです。
お隣の集落にある土嚢の水門では、袋が破れて草が生えていました(苦情がくるよ)。
この時始めて知った単語。
闇水。
この「闇水」というのはですねえ…。
おっと誰か来たようだ。
つづきはまた後ほど。