わりと最近。とある田舎地方のお話です。
ある暖かな秋の日。
おばあさんが畑に向かって歩いていますと
ーーガサガサ、ゴソゴソ。
何やらどこかで音がします。
「はて、なんじゃろう」
おばあさんは辺りをきょろきょろ見渡しました。
音はあるお宅の庭の方から聞こえてくるようです。
そっと中をうかがいますと、見事な柿の木があって、その上に一匹の猿がいました。
猿は枝を渡り歩き、
ーーひとつ、ふたつ
おいしそうに熟れた柿を選んでもいでいます。
そうして、もいだ柿を抱えて木から降り、すたこらさっさと走り去ったのでした。
それを見ていたおばあさんは、
「山に持って帰って食べるのじゃな」
と思いました。
ところがぎっちょん。
おばあさんが畑に着くと、隅っこにさっきの猿がいるではありませんか。
猿は両手に柿を持ち、右の柿をむしゃむしゃ、左の柿をもりもり。
夢中で頬張っています。
おばあさんに見られていることにも気づく様子がありません。
やがて満腹になった猿は、土に穴を掘り、食べ残しを埋めました。
それからゆうゆうと山へ帰っていったのです。
何日かの後、おばあさんは畑の隅で植えた覚えのない芽を見つけました。
「あれまあ」
猿が埋めた柿の種が芽を出して、
ーーみっつ、よっつ。
地面からひょっこり顔を出していたのでした。
・・・・・・
ちょいと昔話風の語りにしてみましたが、
実話です(°_°;
畑の持ち主から直接聞きました。
どうやら今年の話のようです。
いやあ、猿って賢いですねえ。
きっと種と実の関係を知っていますよ、これ。
^ーωー^ 現場のサバです。
猿が柿の種を埋めた畑がどこかは分かりません。
ここはいくつかある候補地のひとつです。
^ーωー^ お花がきれいですよ。
うちの畑のとなり。
菊の向こうに手入れの行き届いた畑がありまして。
冬野菜がすくすく育っております。
ここにもたまに猿や鹿が来るんですよ。
うちの畑にもよそんちで取った作物の食べかすが…。
ええ、うちに被害はありません。
^ー_ー^ で、柿の芽は?
さあ、そこまでは聞きませんでした。
たぶん引っこ抜かれたんではないでしょうか。
野菜のテリトリーに柿の木が生えても困りますし。
^・_・^ あらまー。
サル、シカ、イノシシ、その他。
野生の動物は農家さんにとって困りもの。
けれど、たまにほっこり話を聞けることもあるのです。
^・ω・^ 柿の種は発芽率が高いんだって。