やれることだけやってみる

マイナスからの畑作り。草と戦い、疲れたら猫といっしょに昼寝をします。

【実話怪談】お経

あれは何年前でしたか。

風の強い冬の夜でございました。

早寝早起きを心がけるよい子の私は十時に就寝。

お気に入りの青い毛布にくるまって、ぬくぬく眠りにつきました。

 

コーン

 

夜明けにはまだ遠い深夜。

やわらかな鐘の音が健やかな眠りを破り、

はにゃ?(+_+  ,゚.:。+゚

半分だけ現実に戻ってきた私の耳にはっきりと人の声が聞こえてきました。

 

「じゅりょ~、しょーまんぎょう~」

 

朗々と響く良い声です。

続けて拍子木がカチカチ。

拍子木のリズムに合わせて、数人のお坊さんがお経を唱え始めました。

 

ああ、火の用心か。

このへんではお坊さんが回るのだな。

このアパートに引っ越してきて二年か三年。

どこのお寺か存じませんが、寒い中たいへんですねえ。

修行の一環かな。

そんなことを思いつつ、再び夢の中へ。

読経の声は遠くなり、どこかへ消えてゆきました。

 

一夜明けて、目が覚めて。

んなわけあるかーい!\(°△°

お布団の上に起き上がり、つっこむ私。

 

^ーωー^ ねぼすけさん。

 

まあ、夢を見たんでしょうけれど。

あとで調べてみたら『しょーまんぎょう』は実在していました。

勝鬘経:勝鬘夫人がお釈迦様の前で説いた大乗仏教の教え。

  正式名称は『勝鬘師子吼一乗大方便方広経』

勝鬘さんはインドの王妃、シュリーマーラーだそうです。 

 

『じゅりょー』の方は分かりません。

*寿量?:寿命・命数のこと。『法華義疏』で語られる。

 

どちらも私のボキャブラリーにはありませんでした。

当時、アパートの前は雑木林。

そのむこうはゲートボール場と遊具のある公園。

近くにお寺はありません。

一体、あれは何だったのでしょう。

 

^ーωー^ まぼろし~。

いや、ホンモノのお坊さんかもしれんし。