やれることだけやってみる

マイナスからの畑作り。草と戦い、疲れたら猫といっしょに昼寝をします。

【突発ポエム】ねこ森町の猫仙女

演目:三千年桃花、猫仙女

(みちとせとうか、ねこせんにょ)

演者:ねこ森町女子部

鼓手:羽巣手戸

 

☆☆☆

春の弥生のこの佳日

桃花のつぼみは固けれど

日差しはうららに風もなく

今は春ぞと思はるる

 

猫ども町に集い来て

めでたき上巳(じょうし)の節句ぞと

水のほとりで宴する

川の南で宴する

 

やんやと騒ぎ、にぎやかな

場に天使が通ったか

ひとときしんと静まれば

響くは澄んだ鼓の音

 

ぽん ぽぽん

 

水の北に居並ぶは

どこより来たるか猫仙女

手に手に黒き枝を持ち

そよりそよりと舞いまする

 

ぽんぽん ぽぽん

とん ととん

 

仙女が枝を振るたびに

固く閉じたるつぼみらが

ほろほろふわりとほころびて

いつしか紅の花満開

天より注ぐうららの光

 

花に遊べや

水に遊べや

 

ほろほろふわりと舞いながら

仙女は身を寄せ合いて

ひとつの古木に化しまする

三千代(みちよ)の古木に化しまする

 

ぽぽぽん ぽぽん 

ひゅうひゅうひゅるる

 

急を告げる鼓の音に

一陣の風吹き出でて

花を散らし、木を揺らし

水を空へと巻き上げて

しぶきが雨と降り注ぐ

 

顔を覆った猫どもが

はたと辺りを見渡せば

仙女の姿はそこになく

大きな桃がありました

大きな桃が川の上

どんぶら浮かんでおりました

 

西王母からの贈り物

三千年の桃の実よ

どうぞみなで召し上がれ

召し上がれ

 

☆☆☆

 

^・ω・^  お土産ですよ。

 

西王母の桃についてはこちらを。

   参照 ➽ 西王母 | 銕仙会 能楽事典