ジンチョウゲの花が良い香りを漂わせています。
それなのに、
「ヒヤシンスはいったい、どうしたのでしょう」
人間が首をかしげるのを見て、
『ヒヤシンスに、春が来たよと教えに行こう』
と思いました。
さて、ヒヤシンスはどこにいるのでしょう。
ダイちゃんはあちこち探してみることにしました。
「春が来ました。起きてください」
ここには何もいないようです。
「春が来ましたよ」
「はいはい。おはようございます」
チューリップが芽を出していました。
ここにはヒヤシンスはいないようです。
「おーい、春ですよ」
「ええ、ええ。知っていますよ」
ダッチアイリスが、そよそよと揺れていました。
「暖冬でしたからねえ。ゆっくり寝ていられませんでしたよ」
ここにもヒヤシンスはいないようです。
いったい、どこにいるのでしょう。
ダイちゃんが困っていると、
「なんだね、さっきから騒々しい」
すっかりとうの立ったふきのとうたちが声をかけてきました。
「今ごろ何を言っているのだね」
「そんなことは、とうにみんな知っているよ」
「でも、ヒヤシンスがいないのです」
「どこにいるか、知りませんか?」
ダイちゃんがたずねると、
ふきのとうたちは、いっせいに同じ方向をさしました。
「あっちのモクレンの木の根元だよ」
「落ち葉をほってごらん」
ふきのとうたちに言われたとおり、そうっと落ち葉を掘ってみると
「あら、おはよう」
ピンクのヒヤシンスがつぼみをつけていました。
「春を忘れたりするものですか」
「これから花を咲かせるところですよ」
ああ、よかった。
人間にも知らせてあげましょう。
きっと喜んでくれるでしょう。
^・_・^ またなにかやってる。
うん。懐かしい絵本を思い出して(°_°
「ふうせんの おしらせ」
与田凖一:作 竹山博:画
色とりどりの風船が、春を知らせに回るのです。
妹は《はるこ》という湖に風船がいっぱい集まっているシーンが大好きで
「うきゃきゃきゃきゃー!」
と笑いながら、興奮の余りページをバリバリ引き裂きました。
復刻版、出ないかなあ。
今週のお題「ねこ」