むか~し昔。だいたい8世紀半ば、天平のあたりでしょうかな。
吉田石麻呂という方がいらっしゃった。
その方はいわゆる『痩せの大食い』。たくさん食べてもガリガリくん。
そこで、大伴家持が彼にこう言ったそうな。
「石麻呂さんや、ちょいと言わせてもらうとな。夏痩せには、ウナギがいいらしいと聞きますぞ。捕って召し上がってはどうかのう」
「せやけどまあ、どんだけ痩せても命あっての物種や。ほな、捕ってみよかと川に入って流されたらあきませんぞ」
家持さんもちょいとお口の悪いことですが、昔も今も
『夏バテにはウナギ!』
というのは変わらんのですなあ、というお話でございますよ。
大伴家持の歌・二首
☆石麻呂に我れ物申す 夏痩せによしといふものぞ 鰻捕り喫(め)せ
☆痩(や)す痩すも生けらばあらむを はたやはた鰻を捕ると川に流るな
『万葉集』巻十六「戯笑歌」~痩せ人を嗤笑ふ歌~より
・・・・・・・
全身つるん、ウナギ猫。
立秋の前、約18日間は夏の土用です。
今年2021年は明日、7月19日からになります。
土用は年に4回やってきます。
私どもの世代ですと夏の土用しか知りません。
もっと言えば、関心があるのは土用の丑だけです。
夏の土用の丑の日にはウナギを食べる。
ついでにお店で見つけた土用餅を食べる。
それだけ。
冬の土用の丑の日には紅を買うといいらしいです。
唇の荒れを防ぐのかな(°_°
季節の変わり目は年に4回。
五行思想との関わりで、その期間が『土用』になります。
【ざっくり図解:土用】
五行の5つの気:木火土金水(もく・か・ど・ごん・すい)。
これが色とともに、季節と方位に対応します。
*木(青)=春・東
*火(赤)=夏・南
*金(白)=秋・西
*水(黒)=冬・北
北を上にして図を描ければ良かったんですが。
小学校低学年のとき、教室に貼ってあった季節の図は夏が上になっていたんです。
以来私の頭の中では、季節の巡りはこういうイメージになっています。
さて、残った『土』の気。
中央に位置し、季節を盛り上げて終わらせるという役割を持ちます。
そうして次の季節へとバトンを渡すのですね。
ただし、これは日本独自の考え方のようです。
そしてつい最近知ったのですが、
土用の間は土いじりをしてはならぬ。
という風習があったらしいです。
土公(どこう・土の精)の機嫌を損ねるといかん、とか。
機嫌を損ねないよう、人間は静かに過ごさねばならん、とか。
農作業のあれこれはもちろん、家の普請、引っ越し、旅行もよくないって。
草むしり系もダメなんですって。
新しい草刈り機、買ったのになあ(°_°
^・_・^ さてはまるっと働かないつもり?
いえ、そんなことありませんよ。
そのような風習、今まで知りませんでしたし。
昔も
土公がお出かけしている間はよし。
と、すき間を縫って土仕事をしていたようです。
土の神さまが天にお出かけする日は決まっているらしい。
夏ですと、卯・辰・申の日がお出かけ日。
いちいち暦を確認しなければなりませんね。
しませんが(ー_ー
まあ、つまり。
暑い時期には体をいたわりなさい。
ってことなのでしょう。
肉体労働はほどほどに。
それから、あんまりはしゃぎすぎるな、ってことで。
そして、土用の丑の日には
◇海水浴をする。
◇ウナギを食べる。
◇土用餅を食べる。
◇丑湯(うしゆ)に入る。
牛と一緒にお風呂に入るわけじゃないですよ。
この日に天から薬が流れてくるという伝承があるんですって。
つまり、ハーブのお風呂に入れ、ということですね。
海水浴は、火照った体を冷やして塩分を摂れってことかな。
よく分かりませんが、いろいろありますねえ。
梅雨明け時の天候不安定のせいで、すでに私はダメダメモード。
倦怠感、頭痛、液晶画面酔い。
お風呂にミントオイルを投入して凌いでおります。
猫は動きませんし、パソコンの動作も鈍いです。
夏真っ盛り。
みなさまもどうぞご自愛ください。
*盛り上がりに欠ける猫たち。
ダイちゃん、ただいま入院中。
ごはんもそこそこ食べているようです。
月曜日に再度検査の予定。
退院はいつになるかな。
結果次第です。