むか~し昔、電気もない時代に『氷室』と呼ばれる冷凍庫がありました。冬の間に氷や雪を固めたものをそこに保管し、夏に取り出して涼を楽しむのです。
氷室を開く日は、旧暦の六月一日と決められていました。その日を『氷の朔日(こおりのついたち)』、または『氷の節句』といいます。
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ねこ森町のとある山奥の洞窟に、夏でも氷の張った泉があります。入り口には注連縄がかけられていて、ふだんは入ることができません。そもそも場所を知っている猫は少ないのです。
6月1日の夜明け前、氷番に任命された猫たちがこっそり洞窟の泉に向かいます。そうして、泉から氷を少し取ってねこ神社に持って行き、羽巣手戸さまに献上するのです。
今年の氷はどうでしょう。
羽巣手戸さまが味見をなさいます。
氷番はどっきどき。
一番きれいな氷をとってきたつもりなのですが。
気に入っていただけるでしょうか。
がりっ、ぽりぽり。
うまーい!!
嫌な雑味がなく、どこまでも透明な味わい。
お口の中ですうっと溶けて、体の隅々にまでしみ通るよう。
「極上」のお墨付きをいただきました。
今年の氷もよい氷。
羽巣手戸さまのお許しを得て、ねこ森町の全員に氷がひとかけらずつ配られます。
がりっ、ぼりぼり。
あちこちで氷をかじる音が響きます。
この氷は歯がためになるそうですよ。
かじると歯が強くなると言い伝えられているとかなんとかかんとか。
炎暑厳しい夏の日には、猫もへばることがあります。
そんなときは、羽巣手戸さまがみんなに氷をふるまってくださいます。
熱中症対策は万全。どんちゃか氷祭りも開催されることでしょう。
年中お祭り、ねこ森町。
どなたさまもこなたさまも、かもんじょいなす☆ねこ森町。
^ーωー^ ふう…。
^・ω・^ 氷の節句のお菓子。