『イクメン猫』ダイちゃんは、かいがいしく子猫の世話をする。
どんどん顔つきが穏やかに、まろやかになっていく。
あれ?
ダイちゃん、
そこまでしなくていいんだ!
子離れを完了した母猫たちは、どちらも健康体だ。
避妊手術の際に検査してもらったところ、
ダイちゃんは猫エイズウィルスを持っている。
しかし、これは主にオス猫同士の激しいケンカで感染するものらしい。
子猫たちはどの子も、ウィルスを持っていなかった。
安心して里親さんにお渡しできる。
――と油断していたら、
お腹に虫を飼っていることが判明した。
まあ、これくらいは仕方ない。
元ノラだもの。
子猫をつれて獣医さんに行ったとき、
この写真をスタッフのみなさんに見せた。
「大きくなっても、お母さんのお乳が落ち着くのね」
これ、ダイちゃんです。
「ええーっ、顔がお母さん!」
ものすごく驚かれた。
◇☆◇☆◇☆◇
後日談:この芸は『父のチチ』と名づけられ、世に認められた。
◇☆◇☆◇☆◇
里親募集のちらしを作った。
たまたま、高校の後輩で保護猫活動に明るい人がいた。
彼女のおかげで、白い猫たちは良い里親さんに巡り会えた。
そこからまたご縁がつながって、黒い猫に引き取り手が現われた。
黒い子猫は二匹いる。
どちらも、下腹辺りにツキノワグマのような白い毛が生えていた。
しかし、大きさや体型が違う。
母親が違うのだろう。
離れ屋に来たばかりのころ、一匹はまだ目が青かったので、
『きんめ』『あおめ』と呼び分けていた。
里親さんは『きんめ』を選んだ。
『きんめ』の母親は、たぶんチビたんだ。
これで黒い猫は一匹になった。
呼び名が『クロ』になった。
あと4匹!
☆☆☆
たった二ヶ月で、猫はこんなにも変わります。
どんどんお腹がハゲていきます。
☆☆☆
子猫たちはよく遊び、よく眠る。
追いかけっこ
かくれんぼ
格闘技だってする。
気が向けば、人間とも遊ぶ。
ネコじゃらし。ボール転がし。
4匹もいれば、何だってできる。
ダイちゃんは、ずっとひとりだった。
ホウキが怖い。
ハタキが怖い。
ネコじゃらしを見せても反応はなかった。
子猫たちが遊ぶのを、じっと眺めているうちに
ダイちゃんの目が少しずつ変わっていった。
瞳孔が丸くなり、全身が目の動きと連動し始める。
うずうずしているのが、傍目にも分かる。
※抱えケリケリを覚えた。
※お気に入りはブルーベリー型のボール。 「あっ」
「渡しませんよ」という顏。
表情が豊かになってきた。
・・・・・・・・・・・・・・・
^・_・^ これ、あと1回で終れるの?
分かりません(°_°;
【back number】
n^・ω・^n いつも、応援ありがとうなの!
※一家に一冊。